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皆がみた夢〜鬼滅の刃〜

第3章 大正にいるという事実


【煉獄杏寿郎 視点】

隣に並んで洗いものをしている
その手は白く綺麗で
ふと、彼女はいくつなのだろうと思い、訊ねた

「そういえば、冷泉ゆあ さんは歳はいくつなんだ?みたところまだ若そうだが…」

そう口にして、またハッとする
煉獄!お前女子に年は聞くもんじゃねぇぞ!
いつぞや誰かに言われた事を思い出す

「私は十八です。煉獄さんはおいくつですか?」

意外にもあっさりと気にする事なく言われる
大人びた雰囲気から同じくらいかと思っていたが、2つ下だということが分かった

「俺か!歳は二十になった!…そうか冷泉ゆあ さんは2つ年下か!」

気になった事は聞かないと気が済まない性分
答えをもらえて嬉しくなる
すると、彼女は洗い物の手を止めて
こちらを向いて聞いてくる

「あの、煉獄さん。ひとつ気になっていたのですが…」

「む?なんだ!?」

「私の事フルネームで呼んでくださっていますが、…あの…ゆあ と呼び捨てでいいですよ?年も下ですし」 

“??フルネームとは何だ??
ん?姓名の事か??
名前を間違えてはいけないと反芻する意味もあり呼んでいたが…”

「む?確かに冷泉ゆあ さんと呼ぶのは難儀だったが、どうも俺は人の名前を忘れてしまうのでだな…」

自分の弱点を指摘されたようで戸惑う
だが、彼女は特にそうは思っていないようで
自然と提案してきたのが分かる

“ゆあ か…良い名だな…”
初めて名前を聞いた時にそう思った
ご両親の想いが込められている。そう感じた
心の中でそう名前を呟くと
何故だか顔が熱くなっていくのが分かった

“隊士達を呼び捨てにする事は何でもないのに、なんだこの感情は!”

そう思うと何とも言えない気持ちになり
思わずゆあ とは反対を見て言ってしまう

「よし!では今からゆあ と呼ぼう!俺もこの方が呼びやすい!」

この時はまだ、この時の気持ちが何なのかは
知る由もなかった
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