第28章 鬼のいない世界-其の参
「本日は第◯◯回隅田川花火大会の日です」
テレビから聞こえてきた
私はおばあちゃんが用意してくれた
白地に紺色の牡丹が描かれた浴衣を着て
花火大会に向かう人々でごった返す駅に向かった
“うわぁ…これみんなとちゃんと会えるかなぁ”
と心配になるくらいの人混みだ
ピロン
「駅についたよー◯番出口にいる」
ピコ
「私も着いたよー。ゆきのは?」
“私も着いたからそっち向かうね”
っと。返事をし、人混みをかき分けながら向かう
あ!いたいた!2人に駆け寄る
…!そこにいた姿に目を見張る
「真衣ちゃん、その浴衣…」
「??これ、どうかな??お母さんの実家で代々受け継がれているものなんだけど、私に合わないかな?」
「ううん!すごく似合ってる!素敵な浴衣だね!」
「ゆあもそう思うよな!俺、着物分からないけどなんか品があるなって思ってた」
「へへへ♡二人ともありがとう♪」
私は真衣ちゃんの浴衣が気になり
花火どころではなかった
「あー花火楽しかった〜♡」
「ねぇ、真衣ちゃん!今日家に泊まって行かない?」
「え!いいの?ゆあ 家行きたい!」
「お、じゃあ俺たちは飲み行きますか!」
「おう!お二人さん、また講義で!じゃーね」
男子達と別れ家路についた