第28章 鬼のいない世界-其の参
家に着き、部屋着に着替えながら話す
「真衣ちゃん、あの、変な事聞くんだけど、真衣ちゃんのお母さんの旧姓って何て言うの?」
「ん?お母さんの旧姓?宇髄だよ」
「宇髄さん!?」
「ど、どうしたの!?」
「あ、ごめん。珍しい苗字だなって」
「あー、確かに珍しいよね!確かご先祖様は忍び?だったらしい。ま〜でもお母さん冗談言ったりするからなぁ〜本当かウソか分からない」
「そうなんだ…」
「えー何?何?何が気になるのー?」
「その浴衣素敵だから、どういった経緯で受け継がれているのか気になって!そういう代々受け継ぐのって素敵だなって」
「そんな風に言ってくれて嬉しい♪この浴衣は曾祖母が宇髄家に嫁ぐ時に持ってきたんだって!代々長女が受け継いでくんだけど、おばあちゃんまでは女児しか生まれなかったからお婿さんをとってずーっと宇髄家で受け継いでたみたい」
「そういうのいいな〜♪私も受け継いでいけるもの残したいなぁ」
「曾祖母の実家は長男は簪を受け継いで奥さんになる人に渡しているらしいよ。素敵だよね〜」
浴衣と簪…
そっかやっぱりそうなんだ…
“杏寿郎さん…ありがとう”
そう、こころの中で呟いた
「直樹と真衣ちゃんもそうなるかも?」
「え?ゆあ気づいてたの!?」
「二人を見てたら分かるよー」
「えー、じゃあ聞いて聞いて、あのね…」
こうして一晩中恋バナをして過ごした
ー完ー