第27章 鬼のいない世界-其の弍
「ゆあ、あの日話せないと言っていた事をそろそろ聞かせてくれないか」
桜寿郎と由火の寝顔を見ながら
決意を固める
「私、どうやら元いた時代にそろそろ戻るようなんです。今まで忘れていた令和の記憶が鮮明に思い出され、その夢を見るんです」
…
「今日まで毎日眠るのが怖かった。寝て目が覚めた時、もう私はここには居ないんじゃないかって…でも、本当にその時がきたみたいです」
…
「遅くなってしまったが、これをきみに渡したい」
そう言って杏寿郎さんは私に手紙をくれた
「これは…」
「ゆあ が祝言を挙げるときに欲しいと言っていたものだ。遅くなってすまない」
「あ…あの時頼んだ恋文…」
「今、読んでもいいですか」
「あぁ、今読んでほしい」