第19章 継承
【煉獄杏寿郎 視点】
ゆあ が俺を起こさないように
そっと布団をでようとしたのが分かる
「もう少し一緒に居てくれないか」
そう言うとゆあは隣に寝転んでくれた
「杏寿郎さん、おかえりなさい」
「だだいま」
ゆあ の髪をそっと撫でた
この時がやはり一番幸せに感じる
すると
ゆあ から「痛っ」と言う声が漏れる
「どうした!?ゆあ !どこが痛む!?」
「お腹が…」
“腹!?腹だと!?子に何かあったのか!?”
着の身着のまま廊下にでて叫ぶ
「千寿郎!起きているか!?急ぎ産婆を呼んでくる!ゆあ を頼む!」
千寿郎の返事を聞く間もなく
産婆のもとへと駆け出す
「ゆあ !産婆を連れてきたぞ!」
産婆を下ろすと
「どれどれ、見てみようかね」
産婆がゆあ を診察してくれる
「うんうん、あと一刻ほどで産まれそうだね」
一刻で!?そんな事も分かるのか!?
「して、俺はどうすればいい?」
「準備をしますから、湯を沸かしてくださいな」
「承知した!」
急いで台所に行き湯を沸かす
すると聞き覚えの声がかかる
「よぉ!煉獄!ちとこれからの事で相談があるんだが…」
「すまんが宇髄!今それどころではない!子が産まれそうなのだ!」
「何!?ゆあ、産まれそうなのか!?」
「ゆあ ちゃん今日なのー!」
「ゆあもいよいよ母親か!」
「天元さま、私達お手伝いしてきます!」
「おう!これも何かの縁だ!派手に手伝ってやれ!」
「ありがとう!宇髄嫁たち!」