第18章 祝言
薄曇りが続いていたが
今日は朝から晴天だ
皆が慌ただしく準備をする中
「杏寿郎!紋付袴、似合っているな!」
父上にそう声をかけられる
「そろそろゆあ さんを部屋まで迎えに行くか」
「はい!そろそろ行って参ります」
「では広間で待っている!」
… … …
「ゆあ、入っていいか」
「どうぞ」
襖を開ける
そこには目を見張るほど美しい
ゆあ の姿があった
いろいろな姿を見てきたがこれほどまでとは…
思わず息を呑み動けないでいると
「杏寿郎さん、手を貸して下さい」
そう呼ばれて、「ああ」とだけ返事をして近づく
近くにくるとより美しさがわかり
思わず胸が高鳴る
このまま口付けしたくなるが
それではせっかくの化粧が取れてしまう
だが…
“少しだけなら、許して欲しい”
そしてそっと口付けた
ふふふとゆあ が笑う
「行こう」
そう言って手を引いて広間へと歩いて行った