第15章 自分の気持ち
白無垢の入ったたとう紙を持って
自室へと戻ってきた
お父様から聞いた、瑠火さんの想いをしり
胸が熱くなる
「ゆあ、入っていいか」
そう杏寿郎さんから声がかかる
「はい」
そう返事をするとそっと襖が開く
杏寿郎さんの目がたとう紙に留まる
「それは?」
「杏寿郎さんのお母様である瑠火さんの白無垢です。お父様が私に…と言って渡して下さいました」
「そうか父上が…」
そう言って私の横に座る
「ゆあ にまだ返していなかったと思い持ってきた」
そう言った杏寿郎さんの手には
あの日私が鎹鴉の松さんに託した、簪だった
「君がそばにいてくれていたようで心強かった。ありがとう」
そう言って抱きしめられる
「杏寿郎さんが私を守ると言ってくれた様に、私も杏寿郎さんを守りたかった。そのお守りです」
そう言って抱きしめ返す
「杏寿郎さんの手からこの簪がまた私の元に戻ってきてくれて、とても嬉しいです」
杏寿郎さんが私の頬を包みこみ
そのまま口付けを落とすと
そのまま畳に押し倒された
「きれいだ」
そう言って再び口付けながら
ブラウスのボタンを
一つ一つ外されていく
杏寿郎さんも着流しから袖を抜くと
逞しい上半身が露わになり
互いの肌が直接触れ合う
男女の交わりを知らなかったが
こんなに幸せな気持ちになると知り
嬉しかった
それから一日中、肌を重ねた