第14章 元炎柱
俺は腰をあげ、先に居間へと向かう
すると驚いた事に父上が廊下に立っていた
「杏寿郎、話がある」
「はい」
そう言うと父上が自室へと促す
「そこに座れ」
「あの子は新しい継子か?」
そう問われた
どこから話すべきか…思案する
「いえ、彼女は…ゆあ は…俺の許婚です。ですが、鬼殺隊の剣士でもあり、此度の戦いで俺の命を救ってくれた医師でもあります」
そう答えると、案の定、父上は驚いていた
「そうか…許婚か…いい子だな。彼女に、それでも元柱かと言われ、瑠火に怒られている気がしたよ…この前は、あの子にも…少年にも悪い事をした」
俺は目を見開いた
父上は息子である己から見ても
素晴らしい剣士だった
俺はそんな父上が誇らしかった
だが、母上が亡くなってしまった時
父上には弱さもあるのだと知った
父上がまさかそのように言っていただける
日がくるとは…
「あの子を連れてこい」
「はい!父上!」