第14章 元炎柱
「驚かせてすまないな」
「いえ、驚きはしましたが、私の母が同じような事を私に言う人だったので…」
「そうか…」
「前に祖母の話をしましたが、母がああいった感じの人だったので祖母の家によく遊びに行っていたんです。祖母は母とは違い、なんでも褒めてくれる人で、私はそれに救われていました」
そんな話をしている時だった
「そこで何をしている!!!」
突然、大きな声が聞こえた
声の方に行ってみると、お父様が叫んでいた
「父上、炭治郎さんが日の呼吸について知りたいとの事で…書物を…」
炭治郎くんを一瞥すると
「……日の呼吸の使い手か……!?日の呼吸の使い手だからって調子に乗ってんじゃねぇ!!」
そう言って炭治郎くんに殴りさかかろとするお父様を杏寿郎さんが羽交い締めにする
「父上!落ち着いて下さい!」
炭治郎くんが続ける
「乗れるわけないだろうが!! 今俺がどれだけ打ちのめされてると思ってるんだ!! 俺に…俺に力が無かったばかりに…煉獄さんは目を失って大きな怪我もした…それなのに…このクソジジイ!!」
…もうやめて!…
「!!そこまで!!」
自分でも驚くほど大きな声を出していた
驚いた皆が私に視線を向ける
「杏寿郎さんのお父様、さきほどもそうでしたが、どうして責務を全うしようと頑張る人の事を悪く言うのですか!?杏寿郎さんも炭治郎くんも自分の進むべき道を進むために命を賭けているというのに!それでも元柱なのですか!?」
「炭治郎くん、クソジジイはダメです。きちんと謝りなさい」
「大変失礼な事を言いました、申し訳ありませんでした」
「…もう分かった…」
そう言うとお父様は杏寿郎さんの手を振り払い
また自室に戻って行った