第13章 時計の針が動く
コンコン
「煉獄さん、入ります」
炭治郎くんが声をかけるが返事がない
そっと扉を開けると、眠っている姿が目に入る
「煉獄さん、また眠ってしまったみたいですね。まだ完治していないのにもう全集中・常中してるや」
「これがそうなの!?すごいね…」
炭治郎くんに言われて確認してみると
確かに特殊な呼吸音が聞こえる
「杏寿郎さんが目を覚ますまで、ここで一緒にお話ししていない?」
「そうですね!そうしましょう!」
… … …
炭治郎くんから無限列車での戦いを聞きながら
メモを取る
列車にいたのは下弦の鬼だった事
眠らされて夢を見させられた事
杏寿郎さんの判断が早く助けられた事
鬼に惑わされて鬼の手下になる人がいた事
下弦の鬼を倒したのに上弦の鬼が現れた事
自分は負傷していた為、杏寿郎さんが一人で
上弦の鬼と戦った事
そして上弦ノ参を逃してしまった事
聞き終えて、ふぅと息を吐く
「炭治郎くん、話してくれてありがとう」
私がそういうと
炭治郎くんは申し訳なさそうに眉を下げる
「俺にもっと力があれば…」
私は炭治郎くんの手をとり話す
「分かるよ…私も同じ事、何度も何度も思った。でも過去は戻らない。だから、これからもっと鍛錬して強くなればいいじゃない!」
「ゆあ さん…」
「そうだ!炭治郎くん、日の呼吸を使うんだっけ?確か、杏寿郎さんの家の書庫にそんな話が書いてある本があった記憶なんだけど…」
「そうなんですか!?ぜひ見せていただきたいです!」
「杏寿郎さんが起きたら聞いてみよう!あと、杏寿郎さんの継子になったらいいんじゃない?きっと炭治郎くんなら覚えられるよ!」
「えぇ!俺なんか無理ですよ!(照」