第13章 時計の針が動く
うっ…
ぼんやりと目を開ける
…ここは…
徐々に意識を取り戻す
…ここは…蝶屋敷か…
…右目が開かない…
そうか…右目は失ったか…
「失礼します」
胡蝶が入ってくる
「煉獄さん、意識が戻りましたか。さすがの柱でも内臓を損傷しては二週間眠り続けますね…でも、良かった…ご無事で…」
“そうか二週間も意識を手放していたか”
「ゆあ さんにしっかり感謝して下さいね。彼女が現場に居なければ助からなかったですよ」
俺の点滴を替えながら胡蝶が言う
「!?現場に来たのか!?」
思わず声が大きくなる
前を向いたまま胡蝶が続ける
「煉獄さん、もう一度言いますよ。ゆあ さんが居なければ死んでいました。間違ってもゆあ さんを怒る事のないように。では、私は一旦失礼します」
…ゆあ に助けられたのか…
そう思うとまた眠ってしまった