第12章 責務を全うする
【煉獄杏寿郎 視点】
「失礼します、お久しぶりです」
そう言って前田くんが現れた
「前田くん!久しいな!今日はわざわざありがとう!」
そう言うとゆあと前田くんの間に入る
前田くんはどうにもゆあ に近い
前田くんの手にはゆあ の隊服が
入っているであろう風呂敷包みがあった
「こちらになります。採寸通りに作りましたので、大丈夫かと」
「ありがとうございます!早速着替えてきます」
そう言ってゆあ は自室に戻る
採寸をしに鬼殺隊本部へ行く際、
どうにも心配で
過保護と言われたがついて行った
案の定、前田くんがやたらとゆあ を
触ろうとするので
他の隊士に採寸を変わってもらった
“あのままでは前田くんを斬りかねない”
とまで思っていたのだから過保護かもしれない
「着替えてきました!」
そう声がして見ると
“これは…”
何とも美しい隊服姿のゆあが居た
「ゆあ、隊服も似合うな!こうしてみると、すっかりきみも鬼殺隊の一員だな!」
そう言って目を細める
「前田さん、ありがとうございました!ズボンとお願いしていたような気もしたのですが、これで大丈夫です!」
ん?今、本当はズボンだと言ったか?
ゆあの希望と違うのか?
「それは良かったです!失礼します!」
前田…
「やはり、前田くんの趣味だったか…」
「ふふふ、杏寿郎さん、私のこの隊服姿嫌ですか?私はこれで良かったなと思っていますよ!」
「いや、似合っているからいいんだが、他のやつの目に触れるとなると…何だか複雑な気持ちだ!」
ゆあ が気に入っているならいいか!
そう思い、前田くんを許す事にした