第2章 鬼のいる世界
街灯がほとんどない暗い道を歩く
その途中でまた彼は話し始めた
「自己紹介が遅くなりすまん!俺は煉獄杏寿郎と言う。鬼殺隊という鬼を退治することを生業としている!して、君の名はなんだ?」
「私は 冷泉ゆあと申します。改めて助けていただきありがとうございました」
そう言って私は頭を下げた
「いや、鬼から人々を守るのが俺の責務だからな!ハハハハ」
“夜なのに声大きくないかな…”
などとしょうもない事を考えながら
「あの、本当にお家におじゃましてもいいのでしょうか。ご家族の方々驚かれませんか?」
と聞くと
「あぁ、それなら心配ない!今は離れに一人で住んでいる。家族はいるが母屋にいるから顔を合わせる事は無いから安心して欲しい!」
そう言うと、私の頭にポンと手を置いた
「そうですか。そしたら一晩お世話になります。」
そう言って微笑むと、
煉獄さんも安心した様に
にっこりと笑った
「それでだ、我が家までまだ遠いのだが、見たところ君は下駄だ。大変だろうから背中に乗りなさい」
そう言って私の前で背中を見せて屈む
「え…あのそれは遠慮したいです…私重いですし、履き替える靴を持っているので…履き替えてもいいですか?」
そう言って手にもっていた紙袋から
フラットシューズを取り出して履き替える
「あの、これなら大丈夫なので歩いてもいいですか?もし急いだ方がいいなら走れます!」
そう伝えると煉獄さんは
大きな目をさらに見開き
「そうか!走れるか!だが浴衣姿の女子を走らせる訳にはいかないからな!ゆっくり歩いて行こう!だが辛くなったら遠慮なく言ってほしい」
「はい、その時はよろしくお願いします」
そう会話をしながら歩いて行った