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カクテルとキャラメル・ラ・テ

第18章 家族



「ほんじゃ、おとうとおかあには生きちょったち、伝えとくき」
「ん。
 あ、『みかんはもういらん』と伝えてケロ」
「おばあちゃんが送ってくるんだもん
 『まーくんは元気?』って言ってたよ。
 たまには電話してあげな」
「ばあちゃん、話長いからのぉ」
「先が短いんだから、長話くらい付き合ってあげなさいよ」
「姉ちゃん、辛辣じゃな」

ちょっと引いたような顔の雅治に、ねえ、と俊雅が聞いた。

「兄貴、正月帰ってくる?」
「決めとらん。
 なんかあるんか?」

別に、と言う俊雅は、コイツ、とちぐさに突かれた。

「まぁがもんてくるなら、先に彼女がおること話しちょいて、敬太郎おじちゃんの『結婚は?』攻撃から逃げるつもりながよ」
「...決めたぜよ。帰らん」
「っ帰ってきとぉせぇ」
「それば聞いて、よかよ、言う思うたか?
 敬太郎おじちゃんなんや、いっとぉ面倒ぉしかとに」

がっくりと肩を落とした俊雅。

「兄貴に彼女がいること話してやる」
「残念じゃのぉ。
 これまでひとっつもしてこんかった三十路男のそがな話、信憑性ないぜよ」
「こういう時だけ『三十路』言いあがってっ」

こんちくしょう、と恨めしそうな俊雅の視線を、何食わぬ顔でスルーする雅治。

「おじちゃんのことは置いといて、おばあちゃんには電話しときんさいよ
 あとおとうとおかあにも」
「ばあちゃんだけでええが」

好きにしんさい、と言ったちぐさ。

「繭結ちゃんに、よろしくね」
「ん、」
「『お姉ちゃん』さ、呼んでよかよって言うとって」
「...からかわんずつ」

ふふ、と笑った姉は、そんならねえ、と弟と帰って行った。

 ✜

部屋に戻ると、繭結がちぐさと俊雅が持ってきたお土産のみかんを選別していた。

「下の方から食べましょう。
 結構な量あるんで、少し、加工しちゃってもいいですか?
 搾ってジュースか皮剥いて冷凍か...ジャムか」

なにかないかなぁ、と携帯でみかんのレシピを探している繭結を、背後から抱きすくめた。

「繭結、」

はい?と見上げた唇にキスを一つ。

「繭結ん家族にも、会うてみたい」
「では、兄の居場所探しからですね」

そうじゃったな、と笑うと、もう一度優しくキスをした。

 ✜
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