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The usual one【ヒロアカ中心】

第5章 百合の子(緑谷出久)


 私は、女の子が好き!

 何でって?

 女の子って、綺麗じゃない?

 私はずっと、綺麗でいたい。

 だから、男の子なんて眼中にないの。

 ……って思ってたんだけど……あの時までは。



 「……はー……眼福っ……」

 今日は、プールの授業。
 私は、プールサイドで水着姿のクラスメイトの女の子達を眺めてニマニマしていた。

 百ちゃん、相変わらずスタイルいいな。
 芦戸ちゃんも、胸おっきいわ……
 っていうか、このクラス可愛い子しかいない……好き!

 ……でも……

 私は、向かい側で緑谷くんに話しかけているお茶子ちゃんに目を向けた。

 私が一番好きなのは、お茶子ちゃん!

 何でって?

 お茶子ちゃんって、緑谷くんの事、好きでしょ?
 恋する乙女って、やっぱ可愛いのよ、うん。
 今だって、話しかけちゃってるじゃん。
 だから、緑谷くんには正直嫉妬しちゃう……なんて……

 「おいおい、何女子見てニヤニヤしてんだよ、甘井」

 いつの間にか隣に来ていた上鳴くんに話しかけられた。

 「いいでしょ、別に。何でむさ苦しい男子の水着姿なんか、見なきゃならんのよ」
 「むさ苦しいってお前……酷くね?もっと言い方、ない?」
 「どーせ上鳴くんだって、女の子の水着見てニヤついてたんでしょ」
 「いや、ニヤついてねーし!ニヤついてんのは峰田だし!」
 「まぁ……そういう事にしとく」

 上鳴くんの声に反応した峰田くんが、とてとてと歩いてきた。
 
 「上鳴ィ、人聞き悪ぃぞ!オイラだって、ニヤついてなんか……」
 「ニヤついてんじゃん」

 私が冷静にツッコミを入れると、峰田くんは「違う!」と首をブンブンと振った。

 ……明らかに、ニヤついてんだけど?

 何で男の子ってこう、変な事しか考えてないんだろ。

 きったない。

 ……って今、私もアレかもだけど……ニヤついちゃってるけど!
 でも、男の子なんかと一緒にされたくない。

 「おい、甘井!聞いてんのか、無視すんな!」

 峰田くんが、私の肩をガッと掴んだ。

 「っ離して!!」

 私は、瞬時にその手を叩き落としていた。

 「触んないで!」

 私は、男の子に触られるのが一番嫌い。
 だって、汚れちゃう……そんな気がして。
 綺麗な女の子なら、大歓迎なのに。
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