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The usual one【ヒロアカ中心】

第1章 限定って言われると欲しくなる(ホークス)


 その目はお日様の光で余計にキラキラしてて、やっぱり綺麗だった。

 「そうですよ……」

 つい、直視できなくて目を逸らしてしまった。

 く、悔しいぃ!

 「それ、食べないの?」

 抱えていたクリームパンを指差されて、私は諦めの境地に至った。
 
 もう、いいや。

 今日は地獄に片足、突っ込もう……

 仕方なくその場に座ると、ホークスもちょんと私の隣に体育座りをした。

 屋上なんだからスペースは死ぬほどあるのに、お互い肩が触れ合いそうな距離で座っていた。

 何か、変なの。

 「……」

 沈黙が嫌な訳じゃないけど、やっぱ、これが続くとちょっと気まずい。

 えっと、えっと……!

 「おにいさん、福岡の人ですよね……なんでここにいるんですか?」
 「あれ?もしかして、俺の事調べたの?」

 あ、これ、私が気まずい。

 言わなきゃよかった!

 「と、友達が言ってただけで、調べてませんっ」
 「はは、そういう事にしといてあげる。こっちのヒーローに頼まれて、チームアップしてる」
 「そうなんですか……」

 会話が即終了してしまい、私は自分のコミュ力の無さを恨んだ。

 これが亜有佳や麻弥だったら、会話のキャッチボールってやつがポンポン出来るんだろうなぁ……うん……

 ……うん……

 ヤバい。

 どうしよう……今日、ちょっと早起きしたから眠くなってきた。

 何か理由をつけて、フェードアウトしないと……!

 「眠い?」

 言い当てられて、ぐうの音も出ない。

 「……すみません……」

 項垂れると、ホークスは折りたたんでいた足を伸ばしてポンと太腿の辺りを叩いた。

 「使っていいよ」
 「……は……」

 男子の夢、膝枕。

 そいつを女子の私が体験していいんだろうか。

 普通、反対じゃ……

 ごめん、全世界の男子の皆。

 「遠慮しなくて、いいから」
 「……うぅ……」

 戸惑いつつも、ホークスの太腿当たりに頭を沈めると、じんわりと彼の体温が伝わってくる。

 ふわふわしてて……あったかい……

 なんか……あったかい牛乳にお砂糖入れたみたいな匂いする……

 ……きもちいいなぁ……
 
 「寝ちゃっていいよ」
 「……ぅん……」

 不覚にも、私はホークスの膝枕で心地よい眠りについてしまった。
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