第16章 Drastic medicine(緑谷出久 ホークス)
顔に似合わず、大人なもんだなぁ。
「緑谷くん、最近モテるでしょ。ウラビティとはどうなの?」
「え!なん……いやっ!麗日さんとは、そんなんじゃ!」
うん。知らないけど、知ってる。
「でもさ、緑谷くんって生徒ウケもよさそうだよね。なんとなく」
なんとなくじゃなかった。
ある程度の確信をもって俺はそう言った。
「……そう、ですか……?」
緑谷くんは、分かりやすく言葉に淀んだ。
「うん、そう。告白されたりとか、するでしょ」
「……いや、その……」
「生徒と、付き合ってたりして」
核心を突く一言を言うと、緑谷くんは黙り込んでしまった。
少し、重い沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは、緑谷くんだった。
「あの、こんなの……ホークスに言う事じゃないって、分かってるんです、けど……」
「何?俺でよければ、聞くよ?」
こんな、言わせるような事ズルいかなと自分でも思う。
だけど、緑谷くんの口から真実を聞きたかった。
「実は僕……ホークスの言う通り、生徒と付き合ってます……」
「へぇ……緑谷くんが告白したの?それとも向こうから?」
「繭莉が、先に好きだって、言ってくれて……」
「!」
繭莉。
今、確かに彼は繭莉と言った。
そっか。
繭莉が言ったんだ。
好きだって。
「で?両想いで?付き合ってて?なんか問題あるの?」
「あの、まず……教師と生徒っていう時点で問題なんじゃないかなって……それと……」
「うん」
「彼女……どうしてかは分からないんですけど、その……っ……」
緑谷くんが、言いずらそうにしているけど俺が聞きたいのは正直この先なので、もっと彼の言葉を引っ張り出そうとした。
「いいよ、ぶっちゃけて。俺、誰にも言わないし」
そう言うと、彼はぽつぽつと話し始めた。
「好きだって、言ってくれたんですけど……あのっ……抱きしめる以上、させてくれなくて……」
「っ!」
俺とは、あんなにセックスばっかりしてるのに。
好きだって、言わせてくれないくせに。
緑谷くんの前じゃ清純ぶってんの?
それとも……
「いいじゃない、好きだって言ってもらえるだけ」
「……え……?」
少し棘のある言い方をしてしまったんだろうか、緑谷くんが少し驚いた表情をした。