第15章 本当はね(ホークス)
「ふぅん?」
鷹見がどこか意味ありげな笑みを浮かべたので、相変わらず不思議なヤツと思っていると、廊下の向こうから上村さんが歩いて来た。
「あれ?甘井さん、鷹見さん、どうされました?」
「いえ?特に……何もない、ですけど……」
私がそう答えると、上村さんは「そうですか」と言った。
そして、私と鷹見を交互に見て笑顔を作った。
「お2人、なんだか仲いいですね!」
そう言われて、私は少し戸惑った。
仲……いいか?
どこをどう見たら……いや、昨日鷹見の部屋にいたからか?
……うーん……?
色々考えていると、いきなり鷹見が肩に手を回してきた。
「そ、仲いいんですよ俺達」
「た、鷹見マジで調子乗んな!」
鷹見の手を振り払いつつ上村さんをチラリと見ると、笑顔のままだった。
いや、笑顔のままなんだけど……なんか、本当は笑ってないっていうか……そんな感じの取ってつけたような笑顔だ。
「もうすぐ消灯なので、お2人とも自分の部屋戻って下さいね?」
「分かってますって」
本当は笑う気なんて無さそうなのに、ニコニコ笑う上村さんといつものようにヘラヘラ笑う鷹見。
その2人に挟まれた私は、なんとも言えない気持ちになった。
……なにこの雰囲気……なんでそんな、笑顔のくせにピリつく……?
もしかしてこの2人相性悪い?
まぁ、性格全然違そうだもんなぁ……
「じゃあ、僕はこれで!」
上村さんは、私達に背を向けてスタッフステーションの方へ歩いて行った。
「わ、私もこれで……」
なんだか気まずくなってその場を去ろうとすると、急に腕を掴まれてビックリして思わず鷹見を見ると、初めて見るような……何と言えばいいんだろう、どこか焦っているような表情をしていた。
「え!……鷹見……?」
鷹見は何も言わずに私の腕を引いて歩き出した。
「ちょ、待っ……どうしたの?」
聞いても答えなんて返って来なくて、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。
「ねぇってば、なんか言って……」
何も言われないと、怖い。
鷹見が全然分からない。
何考えてるの……?
そんな事をぐるぐる考えている内に、鷹見の部屋に着いてしまったらしい。
その部屋に私を押し込むと、鷹見はガチャンとドアの鍵を閉めた。
「上村さんって……」
「え?」
「絶対繭莉さんに気ぃありますよね」
