第14章 可哀想な2人(相澤消太)
ヤバい。
なんで、こうなるんだ……
「……はぁ……」
消太は、また大きな溜息を吐いた。
自分には、寝ている女をどうこうしようとかいうシュミはない。
かといって、このままでは帰るに帰れない。
こんな状態で外に出れば、誰かに見られたらヤバすぎる。
取らなければならない行動は、1つだけだった。
こうなったら1人で、するしかない。
だけど、そんなの久しぶりすぎるし途中で繭莉に見られた日にはそりゃもう地獄だ。
どうする?
早いとこ学校に行かないと遅刻する。
どう……
……仕方ない……
さっさと済ませてさっさと帰るしか、ない。
消太は、覚悟を決めた。
下着ごとズボンをずらすと、自身が思っていたよりもガチガチに反り勃っていて自分の事ながら驚いた。
う、嘘だろ……
初対面の女の下着姿で、こんな……
いや、考えてる暇ないだろ。
寝ている繭莉をオカズにするのはとても忍びないが、彼女の所為でこうなったのもまた事実。
「……ぅん……」
人の気持ちなど露知らずに眠り続ける好みの顔の、あんな事やこんな事で快楽に歪む顔を妄想して、自身をぐっと握る。
「っく……」
自分で慰めながら、もう気持ちいいとかそんなのはどうでもいいから早く終わってくれと消太は思った。
「……ん……」
「……っう……」
「……おにいさん……?」
繭莉の声が後ろから聞こえて、消太の背筋は凍りついた。
や、ヤバい。
起きた……!
恐る恐る後ろを振り返ると、目を擦りながらこちらを見ている好みの顔。
「なに、してるの……?」
出来れば寝ぼけていて欲しいと思った。
しかし、そう上手くいかないのが現実というもんである。
繭莉は、消太の手元を見て驚きを隠せない様子だった。
そして、その顔はみるみる赤く染まっていく。
「あ、あの……えと……」
盛大に戸惑うのを見て、そりゃそうだと消太は妙に納得してしまった。
だって、起きたら初対面の名前も知らない男が自分をオカズに1人でしていたのだから。
「……っ……」
戸惑いながら、何かを決心した様子の繭莉が、後ろから抱きついてきた。
「っ!」
正直、消太はビックリした。
ドン引きされるとばかり思っていて、抱きつかれるとは微塵も思っていなかったからだ。
「……な……」