第12章 ゆめのプロポーズ2(相澤消太)
だけど、欲しかった。
ずっとずっと、好きだったから。
相澤さんは、私の言葉に吃驚していたみたいだけど、表情は興奮しきった男のひとのものだった。
「後悔、するなよ……!」
そう言った彼のモノが、私のナカでビクビクと脈打つ。
しない。
後悔なんて、絶対に。
「だい、じょぶ……っ、相澤さん……っ……!」
「……っ……!」
軽く身震いをした相澤さんが、私の中に熱い欲を注ぎ込んだ。
まるで、伝えきれない好きを、伝えるように。
「……はぁ、はー……」
上がった息を整えながら、お腹の方に視線をやった。
……お腹、あったかい……
ホントに、中に相澤さんのが……
「……すまん」
やってしまったという表情で、相澤さんが謝った。
「あ、あの……ごめんなさい、私があんな事、言っちゃったから……」
「いや……」
と、続きを言いかけた時、ガチャっとドアの開く音がして玄関の方から声が聞こえた。
『あー、車汚れてたなぁ……あ、紗綾おかえり』
『アンタおかえりじゃない!邪魔しに行く気!?』
『え!?邪魔ってなに!?』
『今アレかもしんないでしょ!ホンっと察せない男ね!』
紗綾の言葉を最後に、ドアがバタンと閉まる音がした。
「「……」」
暫くお互い何も言えずに固まってしまった。
そ、そうだった……
ここ、人の家!
そんな所でこんな事……
「……あの、ごめんなさい……?」
何故か、私は謝っていた。
「いや、繭莉の所為じゃないだろ……」
「……そ、そうなんですけど……」
相澤さんは、何だか急に気まずくなって俯いた私の上前とおはしょりを軽く直した。
「外、寒そうだ。……いつまでも寒空の下に居させるのも、悪いな」
「そ、そうですね!私、迎えに行って来ます!」
ソファからバっと立ち上がって、リビングを出ようとした時だった。
「繭莉」
急に名前を呼ばれて振り返ると、相澤さんが目を細めて言った。
「好きだ」
初恋は、実らないって聞いた事がある。
だけど、何故か私のは実ってしまったらしい。
しかも、何年か越しで。
「……私も!」
私は、最高の笑顔でそう返事をした。
言いようのないつらさはいつの間にか、言いようのない嬉しさに変わっていた。