第12章 ゆめのプロポーズ2(相澤消太)
ええ!そうなの!?
竹下さん居なかったら、相澤さんと2人っきりになってしまうじゃないか……!
……どう、しよう……
一抹の不安を抱えながら、私は家の中にお邪魔する事にした。
「……ふぅ……」
リビングでキャリーケースをトンと置いて、私は小さく溜息を吐いた。
こんなおっきな家で、自由にダラダラって……どうすれば?
辺りを見回しながらそんな事を思ってしまう。
あ!
……そうだった……
「相澤さんあの、座って下さい!足、つらいし……」
「いや、もう大分慣れてるから大丈夫」
な、慣れてるって……
そんなに、前から義足なの……?
「……あの……ごめん、なさい……」
何故か、脈絡もなく謝っていた。
一度その言葉を口にしたら、昔自分がした事、思った事……いろんな思いが涙と一緒に溢れて止まらなくなってしまった。
「あの時……好きなんて言って困らせて、ごめんなさい……私っ……」
相澤さんは、そんな私を少し驚いた表情で見ていた。
「自分ばっかりつらいと思って、他の男の人に寄っかかって……どうすればいいか、分かんなくなっちゃってて……私……わたし……っ……」
勝手に出てきた涙を止めたくて、ぎゅっと目を瞑ったその時だった。
相澤さんに、抱きしめられていた。
吃驚して、涙が止まった。
「もう、謝らなくていい」
相澤さんの腕の中は、とても温かかった。
「……俺は……あの時のあいつが、羨ましかった」
あいつ……麻倉先生の、事……?
「自分の地位を、捨てるのも……決められた事を破るのも、嫌だった……いや、怖かったのか」
どうしたの?急に……いや、私も急にだったけど……
そう思ったけど、本音と思われる事を言ってくれるのが、何だか嬉しかった。
「だけど、君ももう大人だ……言う位は、許されたい」
私を抱きしめる腕に、少し力が入った気がした。
「あの店で君を見た時から……ずっと、好きだった」