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たまのケージ【ヒロアカ】

第12章 ゆめのプロポーズ2(相澤消太)


 こうして見ると真っ黒だから、気付くのに時間がかかってしまった。

 うわぁ、びしょ濡れだ……!

 心配になった私は、窓を開けた。

 「あの!」
 大きめの声で相澤さんを呼び止めると、立ち止まって少し吃驚した様子でこちらを見上げてきた。
 「2階の右の、角部屋です!」
 そう言った所で、思った。
 
 あれ?

 私、あのひとを家に上げようとしてる?

 べ、別に変なアレはなくて……!

 ……びしょびしょだし……可哀想だし……

 と、自分に言い訳をしていると呼び鈴が鳴った。

 ドアを開けると、そこには頭の先から爪先までびっしょり濡れた相澤さんが立っていた。
 「わぁ、びしょびしょ!これ、使って下さい」
 持って来ていたバスタオルを差し出すと、それを受け取った相澤さんが「すみません」と言った。
 「急に降られて……声がしたんで上見たら、甘井さんだったんで」
 「取り敢えず、中入って下さい。寒いから」

 まぁ何ともナチュラルに、彼を家に上げてしまった。

 「あの……これでよければ、着替えて下さい」
 相澤さんの目の前に兄の着替えを差し出すと、彼は若干驚いた顔をした。
 「あ、これ兄のなんで、気にしないで下さい」

 ……って、何言ってんだ、私……

 すると、意外と素直に着替えを受け取ってくれたのでほっと胸を撫でおろした。
 「着替え終わったら、教えてくださいね」
 着替えてる所を見るのも悪いと思って、私はリビングへ避難する事にした。

 ソファに座った所で、いきなり胸が早鐘を打った。
 
 うちに、相澤さんがいる!
 突然すぎてドキドキするヒマもなかった!

 ……ど、どうしよう……?

 「あの」
 結構早めに声を掛けられて、私はドギマギしながら相澤さんのもとへ向かった。
 「お洋服、乾燥機かけても大丈夫なやつですか?」
 そう聞くと、「多分」と頷かれる。
 服を受け取って乾燥機にそれを入れながら、ちらりと相澤さんを見る。

 っていうか、白Tも似合う……新鮮……!

 お兄ちゃん、白T着ててくれてありがとう……っ……!

 心の中で有難くその姿を拝み倒しながら、表面だけは平静を装った。

 「きっと、1時間位で乾くと思います。……あの、よかったら座って待ってて下さい」
 リビングへ案内すると、彼はスンと鼻を鳴らした。
 「いい匂いしますね」
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