第12章 ゆめのプロポーズ2(相澤消太)
「いらっしゃいませー」
私は、高校生。
学校が終わってから、ドラッグストアでバイトをしている。
今日も今日とてバイトの日。
レジで軽作業をしながら会計のお客さんを待っていると……。
あ、来た。
「商品お預かりします」
いつも、これ位の時間に来るお兄さん。
……いや、おじさん?
「ポイントカード、お持ちですか?」
風貌は、長髪で服は真っ黒。
歳は、きっと30歳前後くらい。
いつも、気だるげっていうか……くたびれた感じ?
「1870円になります」
その、おに……おじ……あ、もうどっちでもいいや、お兄さんにしとこうか……お兄さんは決まって同じ物を買っていく。
それは、栄養ドリンクっていうの?ゼリー飲料っていうの?っていう感じの、パウチタイプのあれ……。
それを、めちゃくちゃいっぱい買っていく。
そんなに買うなら、ネットとかで箱買いでもして置いとけばいいのにって思うけど、それじゃうちの店は潤わない。
正直、助かっている。
「20円のお返しになります」
なんで、私がこんなにお客さんの事を知ってるかって?
「ありがとうございました」
それは……さぁ……
「繭莉、また来たぁ?あの人」
レジから、店を出たお兄さんの背中を見ていると、休憩から帰って来た仲良しバイトの紗綾が話しかけてきた。
「うん。もう帰ったけど」
「また同じの買ってった?」
「うん」
レジ金をチェックしながら紗綾がいつもの事ながら不思議そうな顔をした。
「なんであんなくたびれた感じの人がいいの?」
私は、あのお兄さんが気になってる。
「え?あの感じがいいの!なんかさぁ、いつも同じのばっかり食べてるんでしょ?ご飯作ってあげたい……!」
「……それって、過保護な年上女の言う事よ、繭莉」
……別にいいじゃん、年下がそんな事言ったって……
「いいもん!でもさぁ……顔と買ってくものしか知らないから何とも……話しかけるのも、気が引けるし」
「あ、そうなの?話しかけたらいいじゃん。いつも同じの買ってますね!的な?」
ちょっと待って、それは……
「そんな事言ったら、覚えられてるみたいで嫌じゃん……」
「名前くらい聞いたって、バチ当たんないんじゃない?」
……うーん……