第11章 スターと恋(轟焦凍)
「倫音……これで、全部」
「ありがとう繭莉」
紙袋を受け取ると、倫音は「じゃあ」とだけ言って焦凍達に背を向けて歩いて行ってしまった。
それを目で追う2人は、何故か気まずい雰囲気になってしまう。
「……繭莉」
「……なぁに……?」
「アイツの事、どう思ってんだ?」
出来れば笑顔で「もう好きでも何でもない」とでも言って欲しい。
繭莉が一体どんな返事をするのか……期待と不安が交錯する。
倫音の背中を見ていた目を、繭莉に向ける。
「もう……好きでも何でもない……」
欲しかった言葉なのに、何かが違かった。
彼女の瞳は、少し揺れていた。
何で、そんな目すんだよ。
それは、まだ倫音に何かしら思う所があるから?
俺の事、好きだっていうのは嘘だった?
もう、倫音の所為で何もかもが分からなくなる。
焦凍は、衝動的に繭莉の腕を掴んで彼女の部屋に入った。
ドアを閉め、ガチャンと鍵をかけて細い身体を掻き抱く。
「しょ、焦凍く……」
「アイツの事、引きずってんのか?」
繭莉は、焦凍の腕の中でふるふると首を横に振った。
「もう、ホントに違うの、倫音は……」
「じゃあ、そんな顔すんじゃねぇよ!」
焦り、苛立ち、独占欲。
それらの感情が、混ざりに混ざって気付けば声を荒げていた。
「俺の事好きだってあれ、嘘なのか?遊びなのか?何なんだよ……おかしいだろ!」
「そ、そんなんじゃない……!」
繭莉が、焦凍の制服の裾をぎゅっと掴んだ。
「焦凍くんが、好きなの……どうしたら、信じてくれる……?」
縋るようにこちらを見上げてくるその表情が正直可愛くて仕方ない。
気付けば、その唇に自分の唇を重ねていた。
「ン!……ふ……」
そして、もぞもぞと服の中に手を入れる。
「んんっ……!」
脇腹をなぞると、甘やかな肌がぴたりと手に吸い付いてきてずっと触っていられそうだとか思ってしまう。
「は……しょう、と……」
唇を離すと、耳元で溜息混じりに名前を呼ばれてぞくぞくと耳からあの、身体が熱くなる感覚がやってくる。
「繭莉……っ……」
「え、あ、きゃぁっ!」
身体の火照りを抑えられずに、本能のまま繭莉を床に押し倒していた。