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たまのケージ【ヒロアカ】

第11章 スターと恋(轟焦凍)


 「ねぇ、焦凍くん」
 繭莉が、マグカップをテーブルにコンと置いた。
 「私、焦凍くんに一瞬で落ちちゃった」
 「え?」
 「一目惚れってやつかな!……やっぱり簡単な女だよね……私って」

 やっぱり?

 やっぱりの意味が分かんねぇ……けど……

 「じゃあ、俺も簡単な男かも知んねぇ」

 きっと、あの時初めて雑誌で繭莉を見た時から焦凍が抱いていた思い。

 それは……。

 「繭莉の事、綺麗な奴だって思った」
 
 次に言えばいい言葉なんて、決まってる。
 けれど、焦凍はそれを言うのが少し怖かった。
 繭莉が、次の言葉を待つようにこちらを見上げていた。

 今、言わねぇと。

 きっとこれが、最初で最後のチャンスかも知れないから。

 「好き……なんだ。もっと知りてぇと思っちまった」
 
 「そっか」と繭莉が微笑む。
 「ねぇ、焦凍くん」
 「え?」
 「……あの……」
 そこまで言いかけて、視線を落とされる。
 「繭莉?」
 「えっと…………ぎゅって、して欲しい……」
 まだ少し幼さの残るそのお願いが、何だか可愛いと思ってしまった。
 
 焦凍は、そっと彼女を抱きしめた。

 甘い匂い、華奢な肩。

 「焦凍くん……」

 自分を呼ぶ、甘い声。

 繭莉の全てに、理性がかき乱されていく。

 「俺の方、見て」
 その言葉で、反射的にこちらを見上げた繭莉の唇にキスをしていた。
 「ん、んっ」
 軽く触れるだけのキスを何度もする。
 その度に、思考回路が甘く溶かされていくような気がした。

 もっと、触れたい。

 その思いだけが、焦凍を動かしていた。

 「……嫌だったら、止める、けど……」
 そうじゃなければいいと思いながら、恐る恐る聞くと首を横に振られる。
 「嫌じゃない……焦凍くんなら……」

 そこで、理性の枷が外れた。

 後ろにあったベッドに、繭莉を座らせるとまたキスをする。
 ただ触れるだけのキスしか知らなかったから、それだけを何度も繰り返した。
 「ん、はっ……ん」
 唇を離すと、とろっとした表情になった彼女と目が合った。
 「しょーとくん……もっと……」

 そんな顔して、そんな事言われたら……もう……!
 
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