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たまのケージ【ヒロアカ】

第10章 男女問題はいつも面倒だ(爆豪勝己)


 「ははっ、マジでノープランでこんなとこまで来たの?すっげぇ気合い!」
 車を運転しながら、繭莉の兄が笑った。
 「ま、まぁ……」
 急に自分のした事が気恥ずかしくなってしまって、口ごもってしまう。
 「まぁ、取り敢えず明日の朝イチの電車乗れば、午後には目的地着くと思うよ」
 「……そうスか」
 「繭莉が先輩って呼んでたけど、アンタもヒーロー?」
 そう聞かれて、ヒーロービルボードにランクインしていてもこちらではそこまで認知度は高くないのか?と疑問に思った。
 「お兄ちゃん、大・爆・殺・神ダイナマイトだよ」
 助手席に座っていた繭莉がそう言うと、ああ、と何かを思い出したらしい。
 「ダイナマイト……ああ、ダイナマイトね!聞いた事あるわ、めっちゃ態度悪いヒーローだろ?」
 歯に衣着せぬ物言いに、本当にこの2人は兄妹なんだろうかと思ってしまった。
 「つーか繭莉のどこがいいんだか……俺だったら絶対付き合いたくねぇし」
 その言葉で、繭莉が俯いた。
 コイツがこういう言い方ばかりする所為で、繭莉はこんな性格に育ってしまったのでは……?と、憶測が止まらなくなりそうになった所で車が停まった。
 「はい、到着っと」

 車から降りると、いつの間にか深々と雪が降っていた。
 「寒ぃな……」
 芯まで冷えそうな寒さに、ぶるっと体を震わせる。
 「お家の中、あったかいんで入って下さい」
 繭莉に促されて、家の中に入った。
 温かい室内に、何だかほっとした。
 「俺、夕飯作るからお前ら部屋で寛いどけ」
 「あ、手伝うよ?」
 「いいって、部屋行ってさっきの続きでもしとけよ」
 そう言われて、顔を真っ赤にする繭莉。

 「……行きましょうか、先輩……」
 
 そんな顔で言われたら、本当に続きでもするんじゃないかと変な期待を抱きながら繭莉の後ろを歩いた。
 

 「……入って下さい」
 自室に着いたのか、そこのドアを開けながら彼女は言った。
 部屋に入ると、優しい匂いがふわっと広がって落ち着く筈なのに、妙に胸が高鳴ってしまう。
 「あ、あの……やっぱり私、お兄ちゃん手伝ってきます……」
 まるで逃げ出すようにそう言うから、離したくなくなる。
 後ろから、繭莉を抱きしめていた。
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