• テキストサイズ

たまのケージ【ヒロアカ】

第9章 事情聴取(相澤消太)


「終わったのか?」
寮の中に入ってきたのは、消太だった。 

 しょ、消太あぁ!来てくれた!

 いやでも、今は助け舟にはならない……か……

皆の色めき立った目を見て、そう思う。

「相澤先生、やるぅ~」
そう言いつつ消太を小突いた芦戸さんの一言で、消太は全てを察したらしい。

「繭莉、お前な……」
消太の目が、ちょっぴり怖い。

 いや、あのね?

 私だってあんな話、つまんないし別にしたかったワケでもないよ?

 皆が教えてって、言ったんだもの!

心の中でそう訴えるけど、届くはずはない。
 
「……すみま、せん……」
ガクッと項垂れる私を見上げていたエリちゃんが消太に視線を移す。

「相澤せんせ、甘井さんの事、すき……?」

そんな事を聞くもんだから、私を含めた皆の視線が消太に集まる。

「好きだから、付き合ってるんだよエリちゃん」

消太は、普通にしかも簡潔に言った。

一部の子から、「わぁ」と、ちょっとした歓声が上がる。
 
 あああ!

 なんか、サラッと言いやがった!

 私なんてさ、ついつい濁しちゃったのにこの男……!

ちょっとした悔しさにキリキリしつつ、エリちゃんを見るとちょっぴり嬉しそうな顔をしていた。

 これってさぁ……

 よく子供が『パパってママの事好きなの?』って聞くアレみたいだな……

 もう、お父さんじゃん消太……

 いや、だから母親誰だし。

「甘井さん」
エリちゃんの真ん丸な目が、再び私を見上げる。
「な、なぁに?エリちゃん」
ドギマギしながら聞くと、意外な答えが返ってきた。
「また、髪の毛切ってくれる……?」
 
 あ、そんな事ならお安い御用!

「もちろん、いつでも切ったげる!可愛いねぇ、エリちゃんは!」
本音を言いつつ、別れるのが名残惜しくてまた頭を撫でると、エリちゃんはちょっと恥ずかしそうに微笑んだ。

「終わったんなら行くぞ、繭莉」
「うん、じゃあエリちゃん、またね!……皆さんも、またいつか……お邪魔、しましたぁ……」
あんな事を話した気まずさからしどろもどろになりながら、手を振って見送ってくれるA組の皆に手を振り返しつつ消太の後を追って寮を出た。


「お前なぁ、あんまりベラベラ人の事喋るもんじゃないぞ」
消太が寮から出るなり溜息を吐いた。
/ 356ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp