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たまのケージ【ヒロアカ】

第9章 事情聴取(相澤消太)


 相澤さんの風貌を見る限り、何とも自由な校風の学校なんだろうな……。

 「高校ですか?それとも中学校……」
 小学校は何となく無さそうだったのでそう尋ねると、相澤さんは「雄英です」と簡潔に答えた。

 雄英って……あの雄英?

 私でも知ってる、超エリート校じゃん。

 「すごいですねぇ、でも、最近の子って難しいから大変じゃないですか?」
 また当たり障りのない事を言いながら、カルテに目を落とす。
 ふと誕生日の所を見ると、11月8日。

 あれ?

 「ていうか相澤さん、今日お誕生日じゃあないですか!」
 「まぁ、そうですね」

 誕生日に、美容院かぁ……まぁ、今日土曜日だし、そんなもんか。

 私の手によって切られた髪がどんどん床に落ちていく。

 「お誕生日、おめでとうございます」
 「どうも」
 
 その後も、当たり障りのない話をしながら時間が過ぎていった。


 40分後。

 「いや、大分スッキリされましたねぇ」
 シャンプーした髪をドライヤーで乾かしながら言うと「そうですね」とだけ返事が返ってくる。
 「もう、何年かは美容院行かない感じですか?」
 相澤さんは、少し驚いた顔をした。
 「何で、分かったんですか?」

 ああ……

 「男性でも偶にいますよ、何年かに一回しか美容院行かない方」
 「そうなんですか」
 「まぁ、珍しいですけど……こんな感じで、いかがでしょうか?」
 「……ありがとうございます」
 
 よかった、クレーム言われなくて。

 「今日、お誕生日なのでお会計20パー引きしますね!」
 また営業スマイルをすると、相澤さんが立ち上がった。
 「誕生日に、欲しいものがあるんです」
 「へぇ、これから買いに行く感じですか?」
 「……いや、」
 相澤さんは、私の顎を掴むとグイッと上を向かせた。

 「欲しいのは、あなただ」

 ……ほ……

 ……へ……
 
 「えぇ……?」
 思わず変な声が出ていた。
 「あの、何を仰っているのか全然……」
 「ずっと、見てました」
 
 どんどん思考回路がこんがらがっていく。

 「な、なにを……」
 「この店、ガラス面多いでしょう。中がよく、見えるんです」

 中がよく見えたら、どうやって私が欲しくなるんだ……?

 回らない頭で、一生懸命考えたけどちょっと無理だった。
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