• テキストサイズ

The usual one【ヒロアカ中心】

第8章 恋人ごっこ(ホークス)


 何だろ、このメッセージ……

 今、時間的に仕事中じゃ……

 というか、うららは普段はこんな事を言ったりはしない。
 会う時だって、いつも俺から連絡してた。

 それが、突然こんな……

 ……何か、あったのか……?

 こんな事を言われて嬉しいとか、そういうのよりも心配の方が上回る。

 俺は、地面を蹴ってうららの元へ飛び立った。

 

 20分後。

 どこに来て欲しいとか、指定が無かったので取り敢えずうららの住んでいるアパートに来ていた。

 ドアノブを回すと、鍵がかかっているようで開かない。

 ここには、居ないか。

 他を当たってみようとしたその時、アパートの前に車が停まった。
 車から出てきた店のボーイと思われる男が、うららを抱えている。

 ……何だ……?

 「ほら、うららちゃん!家着いたよ、しっかり」
 「……っ……う……ん……」

 うららの様子が明らかに、おかしい。

 「うらら」

 思わず名前を呼ぶと、その声に気付いたうららがフラフラとしながらこちらにやってくる。
 「あ、うららちゃん!」
 男の心配そうな声をよそに、俺に抱きついてくる。

 「……ホークス……」

 うららの様子がおかしい理由が、傍に来られて分かった。

 「酒くっさ……!」
 「あーあー、すいません!ご迷惑をおかけして」
 男が謝りながら駆け寄ってきた。
 「うららちゃんのお知り合いで?……というか……あなた……」
 「彼女、俺が預かってもいいですかね」
 俺がそう尋ねると、男は一安心といった表情になる。
 「いやぁ、大変だったっすよ!うららちゃん、滅多に飲まないのに何か今日、めっちゃ飲んでて……嫌な事でも、あったんすかね?」
 「さぁ……」
 思い当たる節がないのでそう答えると、男は深々とお辞儀をして車に乗り込んでいった。

 何となく、それを見送ったあと、腕の中のうららに目を落とす。
 顔は真っ赤で、何となく目が潤んでいる気もする。

 この酔っぱらい、どうしたもんかな……
 
 「うらら、家の鍵どこ?」
 「……んー……」
 気怠そうにポストを指差したので、いつもの所かと思いながらそこから鍵を取り出して、鍵穴に差し込む。

 「何があったの?」
/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp