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The usual one【ヒロアカ中心】

第8章 恋人ごっこ(ホークス)


 うららの口内に舌を差し込むと、それを彼女の舌が絡めとって、じゅっと吸われる。

 これ……腰、クるんだよな。

 唇を離すと、お互いの唾液が混ざってつぅっと糸を引く。
 
 「ほらね。話さなくても何とかなるでしょ?」
 と、笑顔のうらら。

 ま、安定の可愛さだよね。

 「……ベッド、行く?」

 うららが今、喜びそうな台詞を吐くと、まるで世間話に相槌でも打つかのように「うん」と言われる。
 「分かってるぅ、さっすが、最速の男!」
 「はいはい……よっと」
 ちょっと力を入れただけで、すぐ抱きかかえられる程うららは細くて軽い。
 そんな所にも、保護欲求が働いてしまう。
 「そうやって、色んな女の子抱っこしてるんだ?」
 「……珍しいね、やきもち?」
 「何それ、気持ち悪っ」

 ……そういう子だったな……

 付き合ってる訳でも何でもないけど、やきもち焼く位、いいんじゃない?

 平等じゃ、ない。

 俺ばかりこんなにハマってんのに、うららはどこ吹く風だ。

 そんな事、本人には死んでも言えないけど。

 ベッドに身体を下ろしてやると、服の裾をぎゅっと掴まれた。

 はいはい、脱いだらいいんでしょ。

 ……ったく、情緒とかそういうもんは無いのか、この子には。

 そう思いながら、着ているものを適当に脱いでいるとうららも当たり前のように服を脱ぎだす。
 それを見て、やっぱり情緒……と思ってしまう。

 まぁ、うららにそんな事を期待するだけ無駄だと分かってる。

 この子は、ただの寂しがり屋なんだと思う。
 だけど、人を繋ぎ止める手段が自分の身体しかないと思ってるから、タチが悪い。

 そんな事、無いって言いたいんだけど、俺じゃあどうにも説得力がない気がする。

 だから、言わない事にしてこの気持ちにも蓋をしてる。


 好きだって、気持ちに。


 「……ホークス……」
 うららが抱きついてきて、ぐらっと体勢が崩れる。
 そのまま、ベッドに身体を預けた。
 柔らかい肌が、上から身体に密着してきてそれだけで勃ってしまう。

 いや、これで勃たない男、いんの?

 勢いに任せて身体をぐるっと入れ替えて、うららをベッドに押し倒す。
 体勢的に丁度彼女のお腹辺りに、勃起した自身が当たってしまった。
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