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The usual one【ヒロアカ中心】

第6章 ブルーベリー・ナイツ(切島鋭児郎)


 そう言って先生は、さっさと部屋から出て行ってしまった。

 1人残された私は、死ぬ程後悔した。

 くっそおおぉぉお!
 何でこうなるの……!
 合理的虚偽もいい加減にしとけよっ、くっそ相澤あぁぁぁあ!

 脱がされた服を着ると、窓をスパンと開けた。

 「ふざけんなよおぉぉ!相澤あぁぁ!」

 下を歩いている生徒の何人かが驚いて顔を上げるけど気にせず叫んでいた。

 「はー、はー……」

 あ……なんか、叫んだらちょっとスッキリした。

 けど……

 なんで私の所には、こうクズばっか寄って来るんだ……

 なに?私がいけないの?

 私、普通に人並みの幸せをさぁ、求めてるだけなんですけど!?

 「はぁ……惨め……」

 思わずその場に座り込むと、コンコンと部屋をノックする音が聞こえた。
 「あっ、は、はい!」
 「甘井さん、お待たせ!ここに居るって、相澤先生から聞いたから!」

 相澤……

 きっと何食わぬ顔で緑谷くんにそう言ったんだ……くっそ、ムカつくわ……

 「甘井さん?」

 緑谷くんの心配そうな声で、我に返る。

 「あ、ごめん!どうぞ入って!」

 私は、怒りと後悔と悲しさでごっちゃになった心のまま、緑谷くんにインタビューする羽目になった。




 その日の夜。

 「はぁ……疲れた……」
 
 仕事を終えた私は、疲れていたのに特に家に帰るわけでもなく、夜の街をフラフラしていた。

 最近、メンタル中心にホントにヤバいかもしれない。
 そういや、自分にご褒美とか、随分あげてない気もする。
 そう思いながらふと路地裏に入ると、小さな立て看板が目に入った。

 「夜、パフェ……」

 うーん……
 値段も、ちょっとお高めだけど、美味しそう……
 ん?
 お酒もあんのか……

 ちょっと、入ってみよ。

 「いらっしゃいませ」

 中に入ると、何ともまぁなイケメンがお2人居て、窓際の席に通される。
 「こんばんは、パティシエの凌です。ご注文お決まりになりましたら、お呼びくださいね」
 
 ご注文と言われても、初めてだからなぁ……こういう店。

 「えっと、お兄さんの、おススメを……」

 イケメンを信じて、そう言ってみた。
 すると、イケメンもとい凌さんは「かしこまりました」と笑顔で言ってカウンターの中へ入っていった。
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