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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第1章 初めてのキスは…【デンジ夢・前編】



思いもよらない展開に慌てるデンジ。

「えっ、ちょっ、待てよぉ!…そんな、ひとつのベッドで寝るとかアリかよ…」
『んー…いーじゃんそのくらい。酔っ払ってる時に細かいこと言わないの』

眠そうな声でそう言うルルに、デンジは心臓の高鳴りを抑えながら答えた。

「ま、まあそうだよなぁ。…とりあえず、焼肉くせ〜からシャワー借りるワ」
『ん…行ってらっしゃぃ』

デンジはバスルームを借り、シャワーを浴びて出てきた。
足音を忍ばせてベッドの方へ戻ると、既に彼女は小さな寝息をたてていた。

「やっぱ寝ちまってるか…」

仰向けで気持ち良さそうに眠っているルルの寝顔を見下ろしながら、思わず呟く。

「…綺麗なツラしてんなぁ」

年上の彼女の無防備な寝顔はどこかあどけなく見えた。
ルルを起こさないよう、静かに布団の中へ入り込み、少し身体を離して横たわる。

「ふぅ…」

すると、ベッドの微かな揺れにつられたように彼女はデンジの方へと寝返りをうった。

『…ん』
「うぉっ、こっち向いた…」

硬直したまま息を潜め、動かないよう必死にこらえる。
ベッドの中で眠っているルルと向かい合うデンジ。あどけない寝顔がすぐ目の前にあった。

「…やべぇ、近すぎるって...」

熱くなる頬。けれど目線は彼女から離せなかった。

「…まつ毛長ぇなぁ…肌白ぇし…」

デンジは静かに手を伸ばし、ルルの顔にかかった髪の毛をどけてやった。

『…ぅー…ん』

すると彼女は寝ぼけてデンジに抱きついてくる。
腕と脚を絡められ、デンジは身動きが取れなくなってしまった。

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