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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第4章 夜明けがくる前に…【早川アキ夢・後編】



「本当か!?」

驚愕しているアキに、ルルは今回の極秘任務のことを話した。

度重なるチェンソーの悪魔を狙った事件と銃の悪魔との繋がりを探るよう、上から命じられたルルは、公安をクビにされて恨んでいると偽って反社との付き合いが深い民間のデビルハンターのグループに所属した。

そのグループ内に多少のフェイクを混ぜた公安の内部情報を流出させて信用を得たルルは、銃を横流ししている地下組織の方へコネを作り、そちらへと移った。

闇の世界に身を沈めれば沈めるほど、様々な情報が入ってくる。
その信憑性を見極めて、ルルは信じるに足るものだけを秘密裏に公安に伝えていた。

そんな中、ルルは先日のチェンソーの悪魔襲撃事件に関する情報を掴んだ。
やはり今回も、あのテロ事件と同様に銃の悪魔が絡んでいることが分かったという。

『拳銃を調達する際のパイプ役を担っている人物も突き止めました。今後はその人物と接点を持てるよう、動いてみようと思います』


全てを聞き終えたアキは頭を抱えた。

「そんな危ない橋を渡ってたのか……なのに、俺は何も知らずに……クソッ…」

込み上げる怒りで声が震えてしまう

「…そもそも、なんで特異4課のお前が?」

潜入捜査なら、正式な担当部署があるはずだった。

『銃の悪魔に対する私の復讐心の強さを汲んで…マキマさんから、特別にやってみないかとお話をもらったんです』
「っ…それじゃ、マキマさんがお前にこの任務を進めてきたのか?」
『はい。でも、最終的にやらせてくださいと頼んだのは私です』
「だからって!…訓練も受けずにこんな特殊な任務を…」

アキは、ずっと信頼と憧れを持って接してきた命の恩人でもある自分の上司・マキマに対して、初めてマイナスの感情を持った。

『…先輩……心配してくれてありがとうございます。…でも私、役に立てて嬉しかったんです。…姫野先輩が亡くなったあのテロ事件の時に、何もせず生き残ってしまったことへの…せめてもの償いになれるような気がして…』


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