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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第3章 初めてのキスは…【デンジ夢・後編】



「…っ…な、なんで知って…」

4課の新人歓迎会の夜、翌日からの京都出張を控えていたマキマにお膳立てをしておくようにと急に頼まれたルルは、ひと足早く京都へ前乗りしていたはずだった。

『私は、急な仕事が入って飲み会には行かれなかったんだけど…あの日参加してた人に、後から聞いたの』
「……」
『…デンジ君の初チューが、キス魔の姫野先輩に奪われちゃった話も…知ってる』

その言葉でデンジの頭の中にゲロチューの悪夢がフラッシュバックする。

「…ぅ……ルルさん…俺、そのことはもう忘れてぇんだ」
『ぇ…そうなの…?』

デンジは慎重に言葉を選びながら、あの夜姫野の家に泊まったことは確かだが、身体の関係を持ったりは断じてしていないとルルの誤解を解いておいた。

『ふぅん…そっか。…やっぱウワサって、いい加減なモンだね』
「信じてくれんのか…良かった」
『もちろん信じるよ。…でも、デンジ君が前より女慣れしたのは間違いないと思うなぁ…』
「そ、そんな事ねぇよ!現に今だって…すげぇ、ドキドキしてるし…」
『…どうして?こんな風に一緒に寝るの…初めてじゃないのに』

意外そうに至近距離で見つめられたデンジは、素直な気持ちを伝える。

「なんかよぉ……俺、ルルさんのことが…可愛く思えてしょうがねぇんだよ」

ルルはフッと表情を緩めた

『…私、デンジ君よりもオネーサンだよ?』
「分かってっけど…そう思っちまうんだからしかたねーだろ。…だから、この状況に緊張してるっつーか…」


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