第3章 初めてのキスは…【デンジ夢・後編】
2人はコンビニで飲み物とツマミを買い込み、ルルのマンションへ向かう。
「…アイツも、ルルさんのこと怒ったりするんだな」
『?』
「この前泊まった時のこと…怒られたって、さっき言ってたろ?」
『あぁ…うん。デンジ君は…一応チェンソーの悪魔として公安に登録されてるから、所在が分からなくなっちゃうのはマズイみたいなんだ。…まぁ、アキ先輩は元々私の教育担当だったから…怒られるのはもう慣れてるけどね」
「ふーん…」
ルルのマンションに着いた2人は、いつ眠くなってしまってもいいようにと交代でシャワーを浴びた。
リラックスできる服に着替え、ソファに並んで座って、ルルはビールを、デンジはコーラをあけて乾杯した。
ボンヤリと間接照明の灯る部屋で、海外のサッカー中継を見ながらポツリポツリと会話する。
ふたりの間には、ゆったりとした時間が流れていた。
ゲームの終盤、肩に重みを感じたデンジがふと隣を見ると、彼女はウトウトしてしまっていた。
「ルルさん…もう、寝るか?」
デンジは小さく頷いたルルを抱き上げ、ベッドへと運んだ。
自分も隣へ潜り込み、向かい合わせに横たわる。
カーテンを閉め忘れたベランダの窓から差し込む、青白い月明かり
ルルの寝顔は相変わらず無防備で、あどけなくて、大人っぽい身体とはアンバランスで、尚更デンジをドキドキさせた。
「…ほんっと、可愛いよなぁ」
手を伸ばし、そっと彼女の頬に触れる。
" 守ってやりてぇな…ずっと…"
テロ事件以降あまりよく眠れていないらしく、目元にクマを作っていたルル。そんな彼女が、いま自分の隣で安心したように眠っている。
穏やかな寝顔を見つめながら、この関係は一体何なのだろうとデンジは考えてみた。