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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第3章 初めてのキスは…【デンジ夢・後編】



ルルは手際よく美味しそうな朝食を作ってくれた。

「すげぇ…ルルさん、料理得意なんだな」
『得意っていうか…まぁ、何となくやってるだけだよ』

そう答えたルルは、朝食は食べずに豆から挽いたコーヒーを飲んでいる。

「なんか…ルルさんが家庭的なの、意外だったワ」
『家庭的かぁ…私は子供の頃に両親を悪魔にころされちゃって、施設で育ってるから…普通の家庭をよく知らないんだけどね』

ルルの生い立ちを聞いたデンジは自分の身の上を彼女に話して聞かせた。幼いうちから苦労してきた2人は互いに対してこれまで以上に親しみを持った。

『そっかぁ。私たち、色々と似たとこあったんだね』
「あぁ…お互い辛い過去背負ってっけど、でも今は違うぜ?俺ら、ここにいるんだしよ」
『うん。この生活守るためなら、命懸けで仕事する』
「だよなァ…俺らの居場所守るためにも、一緒に頑張ってこーぜ。ルルさん」
『クスクス…でも、デンジ君のいまのバディはパワーちゃんでしょ?』
「まぁな〜…アイツはうるせぇけど、いいヤツだからよぉ…いつかルルさんとも組みてぇけどな」
『それじゃあ、また合同任務の時はよろしくね』
「おうよ!」

この一件でルルとの距離がぐんと縮まったことを感じたデンジは、ずっと気になっていたある質問を口にした

「…なぁ……ルルさんってよぉ…昔、早パイと同棲してたってホントなのか?」
『……ぇ…』
「昨日、みんなで飯食いに行った時に…誰かが言ってたんだよ」
『そっか。…まぁ、事情を知らない人達からしたら…そんなウワサ話も間に受けちゃうかもね』
「……」
『…私が公安のデビルハンターになってすぐの頃、アキ先輩の家に居候させてもらってた時期があったの。…私、今よりずっと寝起きが悪くてさ。遅刻ばっかりしてたから…教育担当として面倒みてやるようにって、先輩がマキマさんから頼まれたんだと思う』
「へぇ〜」
『あの家でお世話になってたのは2週間くらいの間だけ。……だから、同棲っていうのとはちょっと違うかな』


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