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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第3章 初めてのキスは…【デンジ夢・後編】



職場の仲間たちと焼肉を食べに行った夜。
酔ったルルを自宅まで送っていったデンジは、彼女の家に泊まることになった。

腕の中のあどけない寝顔を見つめたまま夜を明かしたデンジは、朝方になってからやっと眠りについた。
翌日は2人とも非番だったため、目を覚ましたのは昼に近い時間だった。

ルルは酔っ払ってデンジを家に泊めた事までは覚えていたが、その他の細かいことは何も覚えていなかった。

『ゴメンねデンジ君。私、寝起きが悪くてさ…もしかして…とっくに起きてた?』

デンジは昨夜のことを思い出しつつ、平静を装った。

「い、いやぁ、久々に熟睡できたぜ。ルルさんもよく眠れたのか?」
『うん。あったかくて、安心して…すごく深く眠れた気がする』
「そ、そっか。良かったなぁ」

昨夜の出来事を思い返しながら、デンジは複雑な気持ちになった。
ルルが初めてのキスをしたい相手とは、一体誰なのだろうと考える。
自分だったのならとても嬉しい。けれど、自分以外の男だったら…

ルルの隣で一夜を過ごし、彼女のことを意識し始めてしまったデンジは、もう同じ質問をする気にはなれなかった。

「あ、あのさ…昨日の焼肉、美味かったよなぁ」

ワザと明るく振る舞うデンジに、ルルは微笑んで頷いた。

『うん。そうだね。また一緒にごはん行こうね』

デンジは少し言い淀みながら、勇気を出して言った。

「ああ…次は二人っきりでもいいかもなぁ」
『ホント?じゃあ、今度はふたりで行こ♪……ぁ、デンジ君お腹空いてるよね?何かつくるから、待ってて』

ルルは嬉しそうにそう言うと、ベッドから出てキッチンへ向かう。
デンジはホッとして、彼女の後ろ姿を見送った。


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