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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第2章 夜明けがくる前に…【早川アキ夢・前編】



公安の道場に到着した2人が準備運動をしていると、時間ピッタリに岸辺が入ってきた。

『おはようございます!先生』
「おはようございます。ご指導よろしくお願いします」

丁寧に頭を下げる2人。そして、岸辺の指導が始まった。
柔術、剣術、その他ジャンルを問わずあらゆる戦い方を想定して鍛えてくれる。
対魔チームの中で最強の岸辺はルルの憧れだった。

汗だくになりながらも必死にくらいついていくルルに、岸辺の容赦無いゲキが飛ぶ。

「アイツ、どんどん吸収してくな。大したモンだ…」

彼女の天性の素質を目の当たりにして、アキは感心した。
指導が終わると、岸辺はルルに「また強くなったな」と言葉をかけた。

『…ハァハァ…ありがとうございました!』

アキも久しぶりに岸辺に手合わせしてもらい、とても有益な時間となった。
稽古を終えた2人が道場を出ると、もう夕方になっていた。

「ふぅ…やっぱアノ人すげぇわ」
『アキ先輩もすごかったです!今度剣術の稽古つけてください』
「おう、いつでも言えよ。……さて、晩飯何にすっかな。今日は俺が当番だ…なんか食いたいもんあるか?」
『んー。カレー、とか…どうですか?』
「お、いいな。まだ時間も早いし、帰ってから煮込めば夜には間に合うだろ。材料は家にあるから、スーパーは寄らなくていいか…」

そして、アキとルルは真っ直ぐマンションへ帰ってきた。
カレーの下準備をして弱火にかけ、交代でシャワーを浴びて汗を流す。
程よく疲れた身体にビールを流し込みながら、アキは台所で付け合わせのサラダを作った。

洗面所でドライヤーをかけ終えたルルがリビングに入ってくる。風呂上がりに自分で巻いたらしい左腕の包帯がほどけかけていた。

『あ〜お腹空きましたぁ〜』
「おう、もうちょいだから待ってろ。…また包帯ほどけてんじゃねーか。こっちこい、直してやる」
『…ぁ……すみません…』

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