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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第1章 初めてのキスは…【デンジ夢・前編】



デンジはルルを起こさないよう、ゆっくりと慎重に自分の方へ向き直らせ、さっきと同じようにあどけない寝顔を見つめながら優しく抱きしめた。

「はぁ…どんだけ焦(あせ)らせんだよォ…」

少しムッとしながらルルの寝顔を見つめるデンジ。

「…でも、やっぱ可愛いよなぁ」

密着して押し付けられている胸は、この間3揉みさせてもらったパワーの胸よりもずっと豊満だった。

"あん時の、マキマさんの胸も…こんくらいだったな…"

ふと、そんなことを考える。
この状況でもマキマの胸に触れた時のことを思い出してドキドキしてしまう自分がいることに気付いたデンジは自己嫌悪に陥りつつも、やっぱりルルから身体を離せないでいた。

少し顔を近付ければ唇同士が触れてしまいそうな距離に無防備なルルの寝顔がある。

「…こ、こんな近くで寝てたら…偶然、クチとクチがあたっちまうこともあるよなぁ…」

葛藤の末に唇を寄せかけたデンジは、あることを思い出して動きを止めた。

"そういやぁ、ルルさんが初キスしてぇって思ってる相手…まだ教えてもらってねぇや…"


「……結局、誰なんだろうなぁ…」

モヤモヤした気持ちでため息をつき、眠っているルルを見つめる。
そしてデンジは、彼女の初キスをしたい相手が自分だったらいいのに、と思った。


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