• テキストサイズ

君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第1章 初めてのキスは…【デンジ夢・前編】



"もし、本当にそうなら…すげぇ嬉しいけどよぉ…"

デンジはルルの髪をそっと撫でると、眠っている彼女の耳元で、小さな声で言った。

「…よォ…ルルさん……アンタ俺のこと、どう思ってんだよ」

返事が返ってこないのはわかっていても、聞いてみたかった。

「…飲んだ帰りに家に誘って、泊めてくれて…一緒のベッドで寝てくれてよぉ……ンな事されたら、俺…ちっとは期待しちまうんだけど」

ルルはデンジの囁きにくすぐったそうに肩をすくめたが、話の内容までは理解していないみたいだった。

「フッ…ホント、よく寝てんなぁ」

デンジはルルの身体に、はだけた毛布をかけ直してやった。
少し緊張しながら、あの質問をルルの耳元で聞いてみる。

「…なぁ…初めてのチューは…結局、誰としてぇの…?」
『ん…』

身じろぎをした彼女に少し焦りながらも、デンジはもう一度囁いた。

「教えてくれよ…ルルさんが初めてのキスをしたい相手って…誰なんだよ…」

その時、ルルの唇が微かに開いた。

『…ん……ムニャムニャ…』

息を止めて耳を傾けたが、何と言っているのかよく聞き取れない。
そうしている間に、彼女はまた深い眠りに落ちてしまった。

「…はぁ」

デンジはホッとしたようながっかりしたような気持ちで小さなため息をひとつ吐くと、ルルの身体を包むように抱きしめ、柔らかな髪に顔を埋めた…





初めてのキスは…【デンジ夢・前編】 終わり

──後編へ続く──



/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp