• テキストサイズ

君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第1章 初めてのキスは…【デンジ夢・前編】



「くそっ、どこ見てもエロいとこだらけじゃねぇか…」

白く滑らかな肌、ふせられた長い睫毛、酒のせいでわずかに染まった頬。見れば見るほど目が離せなくなる。デンジは頭の中が真っ白になってしまった。

"あぁ、もう…どーすりゃいいんだ…"

理性が限界に近づいているのがわかったデンジは、彼女の名前を呼んだ。

「…なぁ、ルルさん………なぁって…」

自分でも何がしたいのか良くわからなくなっていた。

『ん…』

名前を呼ばれ、ルルがぼんやりと目を開ける。

『…デンジ、くん?』

至近距離で目が合い、ドキッとするデンジ。

「…あ、あのよぉ…俺、すげー抱きつかれてんだけど」
『……ん?…ぁ…重たかった?…ごめん』

身体を離そうとした彼女に、デンジは動揺しつつも優しく答える。

「い、いや全然重くはねぇよ?むしろ軽すぎるぐらいなんだけど…」

すると、ルルはホッとしたように微笑んだ。

『ふふ。そぉ?…じゃあ、このままでもいい?デンジ君、すごくあったかいから…』
「あ、あぁ…まぁ、構わねぇけどよぉ…」

ドギマギしているデンジにルルは聞いた。

『…シャワー、浴びたの?』
「お、おぅ。借りた」

汗びっしょりのデンジが答える。

『そっか。…眠れそ?』

デンジはドキドキしすぎてとても眠れる気がしなかったが、平気なフリをした。

「え、えっとぉ…まぁ、なんとか寝れっかなぁ」

そんな心の中を知ってか知らずか、ルルは優しく微笑んだ。

『ふふ…じゃあ、寝る?』
「そ、そうだなぁ…寝るかぁ」

デンジはそう答えたが、本当はまだ起きていたい気持ちでいっぱいだった。


/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp