shooting star【怪獣/保科宗四郎/甘々】
第1章 運命が変わった日
その日も、いつものように朝が来て、いつものように仕事して、いつものように帰宅して、その日が終わると思っていた。
けれど、いつものようにある幸せは奇跡のようで儚くて脆く崩れ去る物なのだと、その時に初めて知った。
いや、知っていたのに···。
「危ない!!」
気が付けば体が勝手に動いていた。
怪獣が現れた先には小さな女の子がいて、巨大なシッポが女の子に向けて振り下ろされた瞬間、私はギリギリで女の子を抱き締めた。
そこからは目の前の出来事がスローモーションのように視界に入って来て、私達は巨大な怪獣のシッポに振り払われた。
「っっ!!?」
体を打つ衝撃にギュッと子供を抱きしめた。
「!!!?」
どーーん!!!
と音と共に私の体はコンクリートの壁に打ち付けられて、凄まじい衝撃に悲鳴すら上げられずにアスファルトの地面に叩き付けられた。
「っ、ゲホッ!!!」
「お、···ねえちゃん··?」
背中が痛い、お腹の中か鋭いナイフで刺されたような痛みが走った直後に、私は口から吐血した。
私の腕の中でもぞもぞと動いて体を起こした女の子を、私はかすみ始めた視界に入れた。
(あぁ、良かった···無事だった···)