第25章 逃げ場のない目覚め※微裏閲覧注意※
「……っ、不死川か。声が大きい」
義勇さんは寝起きのまま、事もあろうに私を背後から抱き寄せ、その肩に顎を乗せた。
「指導は終わった。……彼女は、俺たち三人のものだ。文句があるならかかってこい」
「「「「えええええ!?」」」」
私、炭治郎くん、そして飛び起きた無一郎くんまでが同時に叫ぶ。
義勇さん、吹っ切れすぎて性格が変わっていませんか!?
「義勇さん! 言い方が誤解を招きます!」
炭治郎くんが慌てて割って入りますが、無一郎くんは冷静に(でも火に油を注ぐように)言う。
「間違ってないよ。不死川さんも、仲間に入りたかったら素直に言えばいいのに。おはぎ、まだ残ってる?」
「おはぎの問題じゃねェだろォが!!!」
不死川さんの怒りのボルテージが最高潮に達し、ついには日輪刀の柄に手が伸びかけた。
「……おやおや、朝から随分と賑やかだね」
そこへ、騒ぎを聞きつけたお館様が、あまね様に支えられてゆっくりと姿を現しました。
「お、お館様!?」
全員がその場で(布団の上だろうがなんだろうが)一斉に正座する。
「。昨夜は……とても『温かな』夜だったようだね」
お館様の優しい、けれどすべてを見透かしたような微笑みに、私は顔から火が出る思いに。
「実弥、しのぶ。彼らを責めないであげておくれ。……平和になった今、愛を育むことは何よりも尊い仕事なのだから」
「お、お館様がそう仰るなら……っ」
不死川さんは苦虫を噛み潰したような顔で刀から手を離したが、私を睨む瞳には、怒りとは別の「焦燥感」と「独占欲」がメラメラと燃えていた。
「……ですがお館様。公平を期すために、今夜からは交代制、あるいは『全員での共同管理』にするべきではないでしょうか?」
しのぶさんの提案に、周囲の柱たちが「そうだそうだ!」と(どこからともなく現れた宇髄さんや煉獄さんまで)賛成し始める。
私の平和な「三人の生活」は、一晩にして「柱全員による愛の包囲網」へと拡大されようとしていた。
昨夜の疲れも癒えぬまま、私はさらなる「嬉しい悲鳴」の予感に、天を仰ぐしかなかったのであった。
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