第8章 新月の夜
部活終わり、飛雄と一緒に冬が近付く秋の夜空の下にいた。頬を刺す冷たい風が時折強くなって、身体を震わせた。
公園のベンチに座る飛雄に腰を引かれて、後ろから包み込まれる。冷えた身体が温まっていく。いつまでもこうして、この人に温められていたい。
「あのね…蛍とのことが親にバレたの。それで…蛍とはもう、ちゃんと兄妹になる。から……飛雄、ありがとう」
「なんで俺にお礼言うんだよ。お前らが決めたことだろ、俺はなんもしてねぇ」
飛雄がいてくれたから…私を愛してくれたから、本当の愛を見付けられた。蛍のことも愛していたけど、それとは別の…愛。燃えるような想いが心の底から湧き上がってくる。
触れて、求めて…触れられて、求められたい。あなたの傍にずっといたいの。私だけを見ていて欲しい。蛍には湧かなかった感情。
「好きになったのが、飛雄でよかったよ。ずっと好きでいていいかな?」
「ふっ、当たり前だろ。好きでいろよ、離さねぇから」
肩に顎を乗せて、抱き締めている腕に力を込められる。余計に密着した身体が心地よくて、でも、落ち着かない。飛雄にドキドキする。
顔を飛雄の方に向けると、優しく唇が重なった。
ずっと…いつまでもこの人の隣にいれますように__。