第6章 惑わす影
蛍から私を奪い取った飛雄くんは、手を繋いだまま帰路を辿る。この道は飛雄くんの家に繋がる道だ。少し離れたかったのにな…飛雄くんはそれを許してくれないようだ。
家に着くと真っ直ぐ飛雄くんの部屋に向かい、投げ飛ばされるようにベッドへ背中をつけた。ピリピリとした空気に、機嫌が悪いのだと思った。なんか、あったっけ?
「やる。今、ここでセックスする」
「え?ま、待って…飛雄くんしないって…」
「あん時はな。今は違ぇ…あれから、あいつに何回抱かれた?」
最近はしてないのだけども…なんでいきなり機嫌が悪くなったのだろうか。それに…あれからっていつからのこと?
優しく触れた唇が熱い。そのまま押し入ってきた舌が、私の舌先に触れた。熱を持った舌が絡み合って解けて、また絡む。感じたことのない高揚が込み上げてきた。
飛雄くんの体液が私の内側に染み込む。そんな、変態じみたことを考えていた。
「月島と最後にしたのはいつだ」
厭らしく伸びた糸が、舌が離れていく度に伸び、ぷつんっ…と切れる。
「えっと…あの日…飛雄くんが家まで送ってくれて、蛍の前でキスした日……」
「……付き合おう。だからもう、俺以外の男に触らせんな」
コクコクと何度も頷けば、また唇が深く重なった。飛雄くんは嬉しそうに笑っていて、それが心地良かった。