第4章 還る月
「月島…えっと、揺ちゃん。大丈夫?」
合宿の終わり頃、ボトル等の荷物を詰めていると、後ろから声をかけられ振り返る。
「あ……赤葦さん?大丈夫って、何がですか?…あ、結構疲れてますけど、もうバスに乗って寝るだけなので…」
「あれから元気ないね。ほとんど会わないどうでもいい奴になら、吐き出せるんじゃないかな?」
赤葦さん――赤葦京治。梟谷の正セッターの方だ。首を振って答え、「ありがとうございます」と頭を下げる。
苦しい痛い…今すぐにでも誰かに答えを教えて欲しい。いつまでこの矛盾と戦わなければいけないのか。心は飛雄くんを求めるのに、身体は蛍を受け入れてしまう。
荷物を片付けバスに詰め込む。仁花ちゃんの隣で目を瞑っても眠れることはなかった。ぐるぐると月と影が頭の中を支配して回る。気持ち悪い…。
バスの中で何時間も揺られながら考えても、蛍が離してくれる答えは見つからなかった。このまま暗闇に浮かぶ月に還ってしまえばいいのだろうか__。