第1章 この呪いをかけたのは、彼の実の妹だった。
キャロルは魔法で人々を助けていた。
ケガの治療をしたり、枯れた土地に雨を降らせたり。
勿論、報酬はそれなりに貰っていたよ。
彼女も人間だ。
生きていくには、金や金に代わるものが必要になる。
彼女は大好きな魔法で、人を助けるのが大好きだった。
君だって、自分が好きなもので人々が笑顔になると、嬉しいだろう?
私は好きなものを仕事にしようとは思わないから、彼女のそういうところは羨ましいと思う。
そんな生活を続けていたある日、キャロルが十五になる前日さ。
とある事件が発覚した。