【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第4章 The Line Between Us
(……いつも、そうだったしな。)
でも、今日は違っていた。
探しても、探しても、どこにもいない。
夜風が頬を撫でる。
キャンプファイアーの炎の先で、黒尾の心の奥に、黒い影がひっそりと滲み始めた。
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キスが途切れたあと、倉庫の中には静寂が落ちた。
研磨と仁美は、まだ互いの顔を近くで見つめ合っていた。
荒い息が重なり、触れた唇の余韻が残っている。
そのまま、どれくらいそうしていたのか–––––。
ほんの数秒にも、永遠にも思えた。
ふと、研磨が小さく息を吐いた。
張り詰めていた空気が、少しだけほどけた瞬間だった。
お互いの表情に、さっきまでの熱が少しずつ引いていくのがわかる。
研磨は身体を少し離し、ポケットからスマホを取り出した。
画面の明かりが暗い倉庫を淡く照らす。
その光を見て、仁美も慌てて自分のスマホを確認した。
通知の数が、まるで現実に引き戻すように目に刺さる。
クラスチャット、そして黒尾からの個人チャット。