【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第4章 The Line Between Us
言葉は途中で途切れる。
想いがあふれて、声にならなかった。
代わりに、研磨は仁美の唇を再び塞いだ。
最初のキスよりも、ずっと深く、強く、離れられないように、何度も何度も。
吐息が重なり合って、倉庫の中の空気が熱を帯びていく。
彼の中で––––。
怒りも、嫉妬も、諦めも、全部、彼女への想いに溶けていった。
もう、止められなかった。
息が混ざり、溶け合い、音楽のように、ゆっくりと、そして激しく––––。
研磨と仁美は何度も何度も、唇を重ねた。
仁美の涙は止まらなかった。
それでも彼女は、必死に研磨のキスに応えていた。
震える指先が研磨の背中に伸び、シャツの布を掴んで離さなかった。
彼の熱が背中から伝わってくるたびに、喉の奥から苦しいほどの息がもれる。
息を吸うたび、唇を奪われる。
吐くたび、また重なる。
時間の感覚がどんどん薄れていった。
(……もう、何も考えられない。)