【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第15章 Loving Them Is Ruining Me
研磨の言葉が、仁美 の胸に強く引っかかった。
「……壊れたって、どういう……。」
研磨は一度だけ視線を伏せて、そして小さく噛みしめるように言った。
「仁美 が見てるクロは、たぶん……一番マシな部分だけだよ。」
研磨の言葉に仁美は息を呑んだ。
卒業間近の黒尾も壊れかけていた。
仁美はその時の黒尾を思い返す。
(…研磨はこの三年間…、クロの何を見てきたの?)
久しぶりに見た黒尾の笑顔が昔の笑顔だったのか、壊れた笑顔だったのか。
仁美にはどちらかも分からなかった。
研磨は、少し間を置いてから言った。
「……一人暮らし始めたの、俺よりクロの方が先だよ。」
「……え……?」
研磨の言葉に仁美 は思わず声を漏らした。
黒尾が一人暮らし。
そんな話、聞いたことがなかったからだ。
驚いたまま言葉を探す 仁美 を、研磨はただ見ていた。
ゆっくりとカップを持ち上げ、コーヒーを一口飲む。